水曜日, 9月 24, 2008

【クラウドコンピューティング】 Oracleがクラウド参入 このエントリーを含むはてなブックマーク


 クラウドではRDBではなくkey/valueの単純なデータベースの方がフィットするといわれる。その理由はアーキテクチャーの違いに起因する。つまり、クラスタリングでは密結合したシステム(≒スケールアップモデル)をDBMSの機能によって負荷分散するのに対し、クラウドではそもそも並列分散システム(≒スケールアウトモデル)である。key/valueの単純なデータベースをMapReduceなどのアルゴリズムを使って並列化することでスケールアウト可能にする。スケールアップでは限界があるがスケールアウトでは限界がなく拡張できる点がメリットとなる。

クラウド向けデータベースの選択肢
HaaSの概念を拡張するものとして、マグナッソン氏は「EC2上での皿回し」という方式について説明した。これは、MySQLに対して複数のVM(仮想マシン)を動作させるという手法で、1つがマスターになり、多数のVMがスレーブになる。マスターがダウンした場合でも、残りのスレーブから新しいマスターを作成することができる。「しかし私の考えでは、これはクラウドコンピューティングではない。実際には、クラスタリングを行っているのだ」と同氏は話す。


 簡単にはいかないとはいえ、key/value形式のデータベースがクラウドによって提供されるようになると既存のRDBベンダーは困ることになる。なので、Oracleがクラウドを驚異と考えているのは想像するに難しくない。私は今回のOracle RDBのEC2サポートのサービス内容についてはあんまり興味がないのだが、Oracleが驚異と考えているクラウドの世界に敢えて乗り込んできたことは正直驚いた。Adobeもそうだがソフトウェアをパッケージ売りしていたベンダーにとっては、SaaSやクラウドは自己矛盾のモデルである。なぜなら、SaaSやクラウドに力を入れれば入れるほど自社の製品が売れなくなるからだ。Oracleにとっても諸刃の剣となるのは間違いない。ではなぜ参入したのか。  
 key/value形式のDBはHadoopなどの分散オープンソースシステムなどで使われ始めているもののまだ発展途上である。私も業務アプリケーションを簡単に構築する方法を研究中であるが、これがなかなか難しい。運用/管理面においては、現段階ではRDBに一日の長がある。
 それから、発表されたなかで暗号化されたバックアップデータが保存されるストレージサービスがあるのだが、これはクラウドの本質を得ていてよいサービスだと思う。

オラクルは、同時にストレージサービス「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)をデータベースのバックアップ先として利用できる「Oracle Secure Backup Cloud Module」も発表した。自社でストレージを用意せずに、無制限のストレージ容量が従量課金で使えるようになる。「Oracle Recovery Manager」とOracle Enterprise Managerから透過的に使うことが可能。Amazon S3には暗号化されたバックアップデータが保存される。

 Oracleが敢えてこの世界に入ったのはエンドユーザからのリクエストもあるのだろうが、このような新しいサービスを提供することで、クラウドを検討している顧客がRDB離れを起こさないように、くいとどめる狙いがあるのではないだろうか。 

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