金曜日, 6月 19, 2009

【雑記】 個の力、チームの力。私が会社をやって思うこと このエントリーを含むはてなブックマーク



 今回もクラウド研究会MLの私の発言から。

江島さんのところのLingrも、発想はすばらしいものでしたが、コスト構造に問題あって閉じられるそうです。
 http://japan.cnet.com/blog/kenn/2009/05/01/entry_27022150/
はてなさんがOSSだけで大規模システムを構築されて、おおっ!と思いましたけど、多分、これからはOSSだけでも厳しい時代になるんだと思います。

こうなってくると必然的に私のような立場はGAEを「絶対的なもの」として妄信することになります。
Lingrもクラウドであれば、もう少し延命していたかもしれません。わかりませんけど。



これに対して、首藤さんは、人件費など別の指摘をされるとともに、これからの組織、個人について触れられた。

数打ちゃ当たる、というか、数打たないと当たらない種類の取り組みなので。

LUNARR も同様で、
高須賀さんが 5/27 に IPAX2009 で御講演の中で
「(ある種の) 事業をやるのに会社は要らない」
とおっしゃってたというのは、そういうことだと理解してます。

世界目指すベンチャー、既存のフレームを崩壊させよ--IPAXでLUNARR高須賀氏が講演
http://v.japan.cnet.com/news/article/story/0,2000067548,20393976,00.htm

「これまでスタートアップというと、会社を作って、優秀な人材をフルタイ
ムで雇って立ち上げてきたが、現状では『事務所なんてスターバックスで
いい』という動きになっている」(高須賀氏)


同日午後のパネルで、僕は、
知識産業というか何というか、ある種の領域では、
個人のネットワークで動く部分が今後もどんどん広がっていく、っていう
主張というか観測を述べました。

個人ネットワークの時代へ
http://www.shudo.net/publications/IPAX2009-panel/

僕が「個人がすごく empower されてる」と言ったことに対して、
ある方が「高須賀さんも午前中同じことを言ってた」と教えてくれました。



 たしかに、首藤さんのおっしゃるように、「個人がすごく empower されてる」のは、まちがいない。これを踏まえつつ、私はこう発言した。

 東大なのに「だって、プログラミングすきなんだもーん」といって、大手に就職しないOさんみたいな人、他にいるかもしれないでしょ。(安い給料ではきてくれないとは思いますけど、そこをなんとかしようよ。)

私は敢えて、ワーキングプアな環境に身を置くことで自由を得て、好きかってなことをやっているわけなんです。(社員も同じですが、なにか?)

私の場合、実は、サラリーマン時代も今とあまり変わらなかったりします。昔のIBMは懐が深かったなあ。

それから、丸山宏さんの記事、http://japan.cnet.com/blog/maruyama/2009/06/08/entry_27022885/
「スコットランドの歌姫」はいいですね。

個人の力は増してきているかもしれませんが、それをどうやって社会と結び付けていくか。
今のWebだけだと、ちょっと心もとない感じはしています。


 これをちょっと補足する。

 経済的にも精神的にも、個人は元来、弱いものである。理屈上は無限の可能性があるが、実際には出来ることは限られている。江島さんは、「今から思えば1人でできた仕事であった。4人は多すぎた」とおっしゃっているが、たぶん、1人では無理だろう。

 私も一人で会社を始めたものの、すぐに滅入ってしまうことが多かった。その一番の原因は不安からくるものだった。やはり、少なくとも2人、理想的には3~4人のチームで会社をやるのがいいと私は思う。それから、1+1=2ではなく、まちがいなく3以上の力になる。組織の力とはそういうものだ。
 ということで、3~4人が必要と考えると人件費が問題となるが、ここが一番努力すべきところ。そもそも、5000万/年は払いすぎだし、もらいすぎ。私から言わせれば、誰かに投資してもらったお金で人を雇おうという根性がまず甘い。自己資本でやると本当に雇うべき人が誰なのか、よくわかるものだ。

 また、ベンチャーは、「夢と自由」をひきかえに、敢えてワーキングプアーを選択する覚悟が必要であって、それは代表である自分自身も例外ではないはずである。そんな条件に合う人はなかなかいないかもしれない。でも見つけなければ何も始まらない。

 弊社は幸いにもスタッフに恵まれている。私以外に、プログラマー2名、デザイナー1名、経理1名と、決して高給ではないが皆非常に優秀である。

 狭いマンションを事務所としているが、ここにいるのは常時2名ぐらいで、あとはリモート環境でボイスチャットとGoogle Appsを使って仕事をしている。いわゆる、バーチャルオフィス。
リモート環境で仕事しているのは、デザイナーとプログラマーの2人。デザイナーは私の甥っ子でまだ20才である。会社のホームページを作ってもらったが全部彼の手作りである。
 
 もう一人はプログラマーで主婦だ。生まれたての赤ちゃんを抱きながらボイスチャットに応対している。彼女はReflex iTextの担当。そして、週に一回毎月曜日にMTGをもち、全員が集まるようにしている。
 こんな感じで、極力コストを抑えて仕事をする努力をしている。

 それでも、今回のような不況がくると厳しい。

 今後は、クラウドの特性を最大限に生かしたサービスを開発して、多くのものを早く提供しなければならない。また、インターネット環境を最大限に活用して極力自動化することで、どこまでビジネスを完結できるか、これが一番のポイントになると考えている。

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