火曜日, 6月 23, 2009

【クラウドコンピューティング】 ビジネスを変える8つの方法 このエントリーを含むはてなブックマーク



クラウドコンピューティングがビジネスを変える8つの方法

という記事で特に1番と2番と6番がすばらしいと思ったので抜粋する。

1.新世代の製品とサービスを作り上げる。


クラウドコンピューティングの経済は、革新的な企業がこれまでは不可能だった製品を作り出すことや、競合相手よりもずっと安い製品(あるいは単にずっと収益性の高い製品)を作り出すことを可能にする。クラウドコンピューティングのこの側面は軍拡競争であり、このチャンスが得られるのは短期間に過ぎない。これは、一度その利点が効果的であることが証明されれば、競合相手がクラウドコンピューティングの経済的な利点を自社の製品に組み込むことは、比較的短期間でできるためだ。興味深いのは、手が出せないほど大量のコンピューティングパワーや規模、あるいはまったく新しいビジネスモデル(前述のオープンサプライチェーンやグローバルSOAなど)を必要としたり、既存の技術的な制約やコストパフォーマンスの制約によって実装不可能だったビジネス上のアイデアが、実現可能になったことだ。ストレージ、処理能力、テクノロジーの進歩は、これまで不可能だったイノベーションを可能にするが(たとえば高速インターネットはYouTubeを可能にした)、クラウドコンピューティングはそれらのチャンスを非常に手が届きやすいものにしてくれる。賢い企業は、すぐにこれに気づくだろう。


2.ITサービス提供者との間での、新しい軽い形のリアルタイムな協力関係やアウトソーシングが可能になる。
従来の形によるITサービスのアウトソースを経験している企業ならば、これがどういったものかをすでに理解しているだろう。アウトソーシングを行うと、これまで社内にあったものの大部分が、他のどこかに置かれ、何かを変えるのは困難になる。しかし、従来のITのアウトソーシングとは違い、クラウドコンピューティングは、これまでのアウトソースではほとんどの場合不可能だった敏捷性と管理可能性を与えてくれる。クラウドサービスベンダーが気に食わなければ、長期契約を結んでいるのでない限り、ITアウトソース事業者よりはずっと簡単にベンダーを変えることができる。実際、多くのクラウドコンピューティングの関係は、単なる月末にキャンセルが可能な契約と、法人宛ての請求書だけのものだ。多くの企業にとっては、この条件は今よりもいいものであり、すべてを社内でまかなう場合や、アウトソース事業者との関係を結んでいる場合よりも、はるかに多くの選択肢を与えてくれる。


6.事業部門によるITのセルフサービス。
多くのクラウドソリューションは、特にSaaSに関連している場合は、IT部門が関与する必要が少なくなってきている。今後出てくる多くのクラウドコンピューティングソリューションは、ビジネスユーザーが完全にセルフサービスで導入することができるようになるだろう。McKendrick氏が述べているように、これは多くのシナリオがより小さいものになり、数も増えて、IT需要のロングテールをカバーするものになるだろうことの前触れでもある。



もちろん、いいところもあれば悪いところもある。以下はそれを示した図である。

いいところと悪いところ(Pros and Cons)


 はっきりさせておくが、マイナーなアプリケーションのいわゆる「先端的」なコンピューティングや、必要不可欠ではないビジネスシステムに関してさえ、クラウドコンピューティングの導入には、まだ答えの分かっていない問題や、特有の課題があることが分かっている。その中でも目立った問題には、クラウドに保存される企業データのセキュリティ、クラウドプラットフォームベンダーへのロックインのリスク、他人が運営・管理しているクラウド資源にはコントロールができないこと、信頼性の問題などがある。




実際の議論


 先日のクラウド研究会のMLで、まず、S氏が上記1.に関連する意見を述べてくれた。


 小さな会社のポジションが、一番Amazonなどを利用して、日本で伸びるべきだと思っています。
日本で、クラウドだけをやるためにマシンを1000台購入し、ユーザーを募る、なんて例えば無理な話で、やはり他の主業務で投入したマシンを生かしてクラウドを、というスタイルでないと無理でしょう、
という意味でXXXクラウドなどというのが日本で成功するとは思っていないわけです。

例えば、日本の中小企業を生かす意味では、Amazon EC2の上でEDIを行うとかが一番ですね。


 また、ビジネスを提供する立場としての私の意見は次のとおり。


私が強調したいのは、なんというか、クラウドでビジネスするというより、 ビジネスするならクラウド?という感じです。つまり、サービスを作ってGAEでプロバイドするけれども、Powerd by GAE を知らしめることより、サービス自身のスケーラビリティやアベイラビリティを強調することの方が大事なんじゃないかと。


 これに対して、F氏は、信頼性について指摘する。


 確かにクラウドのスケーラビリティやアベイラビリティは商用サービスを運営する上では大きなメリットだと思いますし、これに低コストが加われば「ビジネスするならクラウド?」は説得力はあるでしょう。

でも、パブリック・クラウド上で商用サービスを運営するリスクも存在するわけで、特にサービス事業者を規制する国内法との整合性といった点が僕は気になってます。Above the Clouds でも10の課題のうちの Data Confidentiality and Auditabilityでこの問題に言及していますが、その記述はヨーロッパの各国がアメリカのクラウド・サービスを利用する場合の話しか書いてない。その対策も「EU域内にもデータセンタがあるから、そこだけで運営すればいい」という日本人には「え?」と思うような内容だったりします。

つまり現時点では日本国内からのパブリック・クラウド利用にはこの手のリスクがどれくらい存在するのか、まだあまり明らかになってない。そういう状態で「小規模な事業者はクラウドがお勧め!」って言っちゃうのはどうなのかな?というのが僕の懸念です。小規模事業者は当然資金力もないので商用サービスのシステム構築した後に「国内法に違反するのでサービスできない」てなことになると、すぐさま倒産しかねないですもんね。


 これに対して私の回答。


> 特にサービス事業者を規制する国内法との整合性といった点が僕は気になってます。

おっしゃるとおりだと思います。
今まで使っていた海外のホスティングもクラウドも同じようなもんだと考えていました。
国内法についてはよく調べないといけないですね。

> 商用サービスのシステム構築した後に「国内法に違反するのでサービスできない」
> てなことになると、すぐさま倒産しかねないですもんね。

 国内法以外でも弊社が潰れてサービスできなくなる可能性はたしかにありますね。
お客様が既に弊社のサービスを利用されていて、弊社がサービス運営できなくなった場合には、ちょっと言いにくいのですが、サービスそのものをお客様にお譲りすることになると思います。(;^_^A
 これで少なくとも、AmazonやGoogleが潰れないかぎりサービス継続できます、と回答するようにしています。お譲りするといっても、インスタンスのコピーを渡すのと、クレジットカード名義が変わるぐらいですかね。私たちが所有、管理するものは本当に少ないんです。また、引き続き運用管理をお願いといわれた場合には個々に対応していくつもりです。まあ、ちょっとあぶなっかしいかもしれませんが、そのあたりのリスクも含めて低料金でご提供させていただくことにしています。最終的にはお客様にご判断いただくしかないですね。


S氏にもフォローいただく。


 >> サービス事業者を規制する国内法

なんて今存在しないですよね。変な規制法は作らないように我々も動くべきだと思います。
日本として鎖国したいなら違いますが。
サーバーの場所が日本以外にある会社なんて一杯あるわけですし、インターネット経由での情報交換のセキュリティー確保以上の問題は、利用者の自己責任が大きいというのが、基本原則なのでしょう。 いずれにしても、SSLの使用以上に、クラウド内に格納されるデータの安全性(つまりクラウド運営会社も知ることの出来ないKeyで暗号化)を確保したいという思いが強いのは事実でしょう。


 とにかく、ビジネスは今はじまったばかりだ。利用契約の形態も含めて試行錯誤的に進んでいるのが現状である。AmazonEC2やGoogle App Engineの利用契約などは、必ずしも弊社を通すという必要もなく、お客様が直接契約するなど、やり方はいろいろあるとは思っている。

0 件のコメント:

 
© 2006-2015 Virtual Technology
当サイトではGoogle Analyticsを使ってウェブサイトのトラフィック情報を収集しています。詳しくは、プライバシーポリシーを参照してください。