水曜日, 8月 05, 2009

【iPhone】 AppleのiPhone向けのアプリビジネスはなぜ魅力的ではないか? このエントリーを含むはてなブックマーク


GoogleのAndroid向けのアプリビジネスはなぜ魅力的ではないか?をちょっと書き換えてみた。


Android向けの開発意向表明を行って数ヶ月になるが、もっとも良く投げかけられる質問は「iPhoneへのプラットフォームでは開発しないの?」というものだ。
少し前までは、ObjectiveCの開発スキルやリソースに目処がつけばやってもいいけど、学習コストが重いよねえ、などと答えていたが、最近は少し見方が変わってきた。

今の勢いでHTML5が進化・浸透してくれるのであれば、わざわざ移植コストをかけてiPhoneやWindows Mobile向けにネーティブ・アプリを開発するよりは、少なくともUIの部分をすべてHTML+Javascriptにまかせたアーキテクチャでのインタラクティブなアプリの開発というのも十分に可能性があるように思えてきたのだ。

この「HTML+Javascriptですべて出来るじゃん」という発想は、そもそもマイクロソフト時代のInternet Explorer 4.0やNetDocs(90年代の終わりに開発していたマイクロソフト版Google Docs)のころから持ち合わせて来たもの。パソコン向けではWindowsの成功が故に日の目を見なかった発想が、数多くのプラットフォームが混在・競合しているスマートフォンの時代になって大きな意味を持ってきたというところが興味深い。

 そもそも、「AppleがiPhone」を発表する、と聞いた時には、「ついに超高速・超小型のJavascriptエンジンの開発に成功したか」と過大な期待を抱いてしまった私にとって、ObjectiveCでNativeコードを書かなければならないiPhoneははっきり言って期待はずれの拍子抜け。明らかにGoogleの「ウェブアプリケーション中心」というの基本路線から外れており、せっかくiPhone向けのアプリを作った開発者がAppleに途中ではしごを外されて途方にくれる可能性は大きいと私は見ている。

現時点で、最新のハードウェア向けのアプリを作りたければAndroidがiPhoneよりも魅力的なプラットフォームなことは火を見るよりも明らかだし、どうしても「Googleに縛られたくない」のであれば、標準になりつつある、HTML5上でJavascriptを駆使した本気のインタラクティブなアプリを作るノウハウを蓄積しておく方がよほど魅力的に思える。もちろん、現時点でもっともすぐれたHTML5の実装を持つモバイル端末は iPhoneだし、ちゃんと作っておけば、Android端末でもPalm Preでも動くはずなので、投資効率は高い。

 ということで結論から言ってしまえば、「移植性を無視して最新のハード向けにばりばりのネーティブコードを書きたかったらiPhone向けのアプリを Objective Cで作るか、Android用にJavaで作り、さまざまなデバイスへの移植性が重要ならHTML5+Javascriptでインタラクティブなアプリを作ってiPhone上のSafariでテストしておく」というのが現時点でのスマートフォン向けの開発投資の仕方としては、最も賢い選択肢だと考えている私である。

ちなみに、JavaとかFlashとかはどうなの、という質問が来そうなので答えておくと、「スマートフォン向けではなく、現状の端末向けのアプリの開発であればまだまだJava、BREW、Flash liteは健在。ただし、3〜5年後にそれらのプラットフォームがHTML5によって駆逐されてしまう可能性は大」というのが私の見方。もちろん、「ガラパゴス携帯」とか「Windows Mobile」という局所的な抵抗勢力はそれなりに残るだろうけど、WebKitがモバイル端末でさくさく動くことをAppleが証明してしまった今、世界の流れはHTML5に一気に向かっている。

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