タイムリーな記事を発見。
完璧なSOAなんてあり得ないからこそガバナンスが重要 - ミコ・マツムラ氏
先日の記事のコメントで「小さな政府」という表現でどのようにガバナンスを考えればよいかを説明したが、ミコ・マツムラ氏も同様の意見をお持ちのようである。
理想的な実装が難しい現実
最初に述べたように、SOAのブループリント策定はうまく行ってもIT実装は難しい、この理由はごく簡単です。ユートピア(理想郷)の青写真を描くだけなら、つまるところ、誰にでもできるわけです。だが、それを実現するには、"部族間主義"のような人間のもつ自然な本質を越える必要があります。一ベンダがそこまで企業の内部に立ち入るのは難しい。
大きな開発は失敗するリスクが高い
何千とあるSOA導入失敗例を見てきてつくづく思うことは、SOA導入とは「ロケットの発射」に非常によく似ている、ということです。言うまでもなく、ロケットというのは非常に大きなシステムで、それを発射させるにもさまざまな仕組みが必要です。そして発射が失敗するとき、たいていは大きなシステムの中にある小さなコンポーネントどうしの依存関係に問題があります。SOAも同じです。サービスそのものの大きさ(粗さ)よりも、あるサービスは、別のどのサービスにどれだけ依存しているのか、それに対する認識があいまいだと失敗も生じやすくなります。
個別に柔軟に対応することが重要
トップダウンか、ボトムアップか -- SOAに限らずITシステムの導入/リプレースを議論する際、よく登場するフレーズだが、結局のところ、そのどちらであっても組織内から100%の合意が得られることはまずあり得ない。トップから押しつけられた、下の人間が勝手にやった、といった類の言い訳はいつの時代、どこの組織、どのソリューションを使っていても起こるものである。
だが100%は無理でも、少なからず多くの人々が気持ちよく使えるITシステムがあるとしたら、それはやはり、ある一定のルールの下で運営されていることが条件になるだろう。そしてそのルールは、時代と組織に合わせて柔軟な変更が可能であることも求められる。SOAガバナンスの基本はそこにある。
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