土曜日, 7月 19, 2008

【EC開発体験記-ビジネスモデル-】 メーカ直送は究極の通販モデル このエントリーを含むはてなブックマーク




 通販業者は店舗をもたないため、その分経費がかからず、製品開発やマーケティング、お客様サービスに費用をまわせるというメリットがある。・・・少なくとも消費者からはこのように思われている。しかし、実際にはコールセンターを含めた受注コスト、商品開発コスト、物流コスト、システム運用費用など多くのコストがかかっている。うまくいっていない通販ほど、かかるコストが大きく、売れば売るほど赤字という悪循環に陥っているのが実態である。私が担当したときの会社はまさにこのような状態であった。通販事業を行うにあたって最も注意を払うべきことはコストである。コストを最小化できてはじめて利益を高めることができ、あるいは、お客様にサービスとして還元できるようになる。こう信じたからこそ、まず最初に取り組んだのはコスト削減、とりわけ、物流改革による運賃、管理費の削減であった。具体的には次の2点を中心に取り組んだ。
 
 1)外部業者に委託していたロジスティクス業務を自社にて行う
 2)メーカから直接お客様に届ける仕組みを構築する

 外部ロジスティクスをやめることは大きな決断であった。そこにかけていた経費を考えるとどうしても避けては通れないことは明らかだったが、増員を見込めない自社で本当にできるかどうかわからず、大きな不安があった。不必要な業務があることが分かっていたので廃止していくものの、それだけでは不十分である。抜本的に業務を削減するには、システムによる自動化・省力化を図る必要があった。また、小・中の商品については、必ずしも大・特大と同じ配送業者を利用する必要はなかったので、小・中を得意とする配送業者と新たに契約することで配送コストを下げた。さらには、メーカに集荷して直接お客様にお届けする、メーカ直送という仕組みを導入することで管理コストを下げた。これらにより、物流コストを1/3に抑えることに成功したのである。
 システムによる自動化・省力化については、「一品一葉」という概念の導入と徹底した配送管理によって実現している。大・中・小と様々な商品を一度に購入されたお客様でも、システム上は「一品一葉」で管理されているため、各配送業者に注文が分かれても問題なく処理できるようになっている。また、配送管理については、まず出荷指示を配送業者のシステムに送信することで集荷依頼を行い、次に、一品ごとの状態(出荷済、配達完了等)を配送業者のシステムから受信することでステータスを更新する。返品の際も、配送業者に返品の指示をデータ送信するだけでお客様のところに集荷してメーカに返品してくれる。
 さらには、お客様のお届け日を指定でき、Webサイトからでも電話注文でも指定可能となっている。この仕組みはお届け日から逆算して、メーカへの出荷指示日を計算できるテーブルを作成しているからできているのだが、配送業者も興味を示すほどの仕組みであり、おそらく他に実現しているサイトはないと思われる。このように、配送システムとの自動連携により、管理の自動化ができているのである。
 実際に省力化が実現できたとき、そのコスト削減額は想定よりもはるかに大きいことがわかり、あらためてシステム化による効果の大きさを知った。
 今回、暮らしのデザインはニッセンの新しい一員となったが、ニッセンの社訓の最初にはこのように書かれてある。

1.常に物流を改善していく


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