火曜日, 5月 01, 2007
初仕事・・システムは動いてなんぼの世界である
今、暮らしのデザインというところでWeb通販、エディオンダイレクトの仕事をしている。暮らしのデザインはもともとダイエー、OMCの1事業であったが、3年前にエディオングループになった。それに伴い、カタログ通販から、Web通販、家電販売という要素が加わった。それでも最近では、単なる通販モデルでは通用しなくなってきたので、抜本的に改革しましょうという話になり、Web2.0的要素を組み入れた通販システムの再構築をやることになった。まずはじめに私が手をつけたのは配送サービスのところ。これをフェーズ1とした。Web2.0とはまったく関係ないと思われるかもしれないが、配送の納期短縮はお客様サービスの向上という意味で非常に重要なので、まずはこれを優先してやることにした。そして、新しい受注システムを導入するにあたり、現在のバッチ処理をやめてリアルタイム処理にした。旧システムでは、バッチで物流システムと連携していたので、商品を受注して出荷指示がでるまでに2日、お客様にお届けできるには最短で4日かかっていた。それが新システムでは、その日のうちに出荷して、お客様には翌日にお届けできるようになった。フェーズ1は、今年の2月から開発、4月9日にサービスインなので、なんと2ヶ月で作ったことになる。面白いもので、実際に動くものを見せられると、人の意識は異なってくる。入社時と今では全く違う環境になった。今後、Web2.0システムへと大きく発展させるためには絶対に踏まなければならない一歩であった。
それから、今回を期にポイントを10%にさせていただいている。赤字覚悟の出血大サービスなのだが、これぐらいで赤字になるようであればだめである。今の冗長なシステムにメスを入れて、究極の低コストモデルを追及していかなければならない。それが競争力となる。「居ながらにして買って安心」を実現するためには、避けては通れない道であると信じている。
エディオンダイレクト フェーズ1
日曜日, 4月 15, 2007
萎縮する
ずいぶん久しぶりに書くこのブログ。決してネタがなくなったわけではない。忙しくて書く暇がないのであるが、一番の理由は萎縮してしまったことだ。会社を代表する一人として自分の記事が良くも悪くも多くの人に影響を与える。そのなかには株主もいることだろう。自分にとって都合のいい言葉を選んで書くのは、当たり障りのない面白くないものになる。唯一、発言できることは
正論
これほど面白くないものはない。私は間違ったことはしてはならないのであり、正論を述べるべきだという圧力があって選択の余地はない。だから、私は口をつぐむ。
正論はときに最悪を生む。悪意をもっていようがいまいが結果としてそうなる場合がある。
まず、以下のエントリを読んで欲しい。これは、JavaScript、ActionScriptの分野でインスピレーションをかきたてられる愛読blogの一エントリである。
■[javascript]「勝手に添削 - JavaScript 入門」を勝手に添削
amachanの講義内容に弾氏が「勝手に添削」したことに対する反論である。誤解してほしくないのは、正論をいっているのは、amachanでも、弾氏でもなく、実はblogコメントの投稿者(=世間様)である。
「こういったやりとりこそ、blogの醍醐味であり、(amachanは)当然やるべきだ。」by 世間様
この大きな圧力は、amachanを苦しめるだろう。なぜなら、常にamachanは正しいことを言うはずだと仮定されており、amachanは萎縮してしまう。その結果、世間様に自分の進みたい方向じゃない方向に引っぱられる。(=言いたいことが言えなくなる)
正論はときに最悪を生む。正論を発する輩に遭遇した場合、正しいと思ってもすべて受け入れるのではなく、一歩下がってスルー(無視or沈黙)で対応するのも一つの方法だと思う。
どうか、口をつぐむことがないようにお願いしたい限りだ。私もがんばろうっと。
正論
これほど面白くないものはない。私は間違ったことはしてはならないのであり、正論を述べるべきだという圧力があって選択の余地はない。だから、私は口をつぐむ。
正論はときに最悪を生む。悪意をもっていようがいまいが結果としてそうなる場合がある。
まず、以下のエントリを読んで欲しい。これは、JavaScript、ActionScriptの分野でインスピレーションをかきたてられる愛読blogの一エントリである。
■[javascript]「勝手に添削 - JavaScript 入門」を勝手に添削
amachanの講義内容に弾氏が「勝手に添削」したことに対する反論である。誤解してほしくないのは、正論をいっているのは、amachanでも、弾氏でもなく、実はblogコメントの投稿者(=世間様)である。
「こういったやりとりこそ、blogの醍醐味であり、(amachanは)当然やるべきだ。」by 世間様
この大きな圧力は、amachanを苦しめるだろう。なぜなら、常にamachanは正しいことを言うはずだと仮定されており、amachanは萎縮してしまう。その結果、世間様に自分の進みたい方向じゃない方向に引っぱられる。(=言いたいことが言えなくなる)
正論はときに最悪を生む。正論を発する輩に遭遇した場合、正しいと思ってもすべて受け入れるのではなく、一歩下がってスルー(無視or沈黙)で対応するのも一つの方法だと思う。
どうか、口をつぐむことがないようにお願いしたい限りだ。私もがんばろうっと。
日曜日, 1月 14, 2007
ビジネス優先とはどういうことか その2
先の投稿では偉そうに書いたのだが、よく思い出してみると、私も失敗していたことがあった。そのことについても触れねばなるまい。
Y運輸様の荷物追跡システムの最初のリリースでは、OS/390で動作するWEBサーバのCGIプログラムによるものだった。信じられるだろうか?AIXどころかS/390である。S/390で作ったのが失敗だったというわけではない。むしろ、その逆の話であった。
当時、OS/390は、UNIXファイルシステムの拡張がなされ、同時に、CコンパイラやWebサーバなどのいくつかのUNIXのプログラムが移植されていた。今ではLinuxも動作するので驚くことはないが、当時はオープン化の最初の段階である。その仕組みはまったく想像すらできなかった。どれもこれも、やっと動くというレベルであり、実用上のパフォーマンスは望めなかった。そのうえ、EBCDICコードである。どう考えても、AIXで作った方がいいにきまっている。しかしAIXは単なる開発機だ。そこで開発したものを、OS/390に移し、わざわざコード変換して動作させていた。繰り返しになるが、開発機の方がだんぜん速い。
私は技術者として非常に後ろめたい気持ちになり、こっそり比較表を作ってお客様に公開した。
その数時間後、IBMの営業にどなられた。
「S390を選択していただいたお客様の立場を考えろ。」
当時はすでにダウンサイジングが進み、F社はホストをやめてUNIXにしようとしていた。
だが、お客様はUNIXは尚早と考えている。一方、IBMはOS390のオープン化といった新しい可能性を追求していた。お客様は、ホストというプラットォームにおいて、「将来にわたっての」IBMの真価を見極めようとしていた。要するに、WEBサーバのパフォーマンスはあまり重要ではなかった。私は見せなくていいものを見せたのだが、幸運にも大事に至らず、お客様はOS390を支持してくださり、前代未聞のS390<->F連携システムによる、荷物追跡システムができた。その2年後、UNIXサーバがお客様内で認知され、ご導入いただきWebは移行された。F社ではなく当然のようにIBMのUNIXサーバが採用された。荷物追跡システムの成功により、e-BusinessはIBMというイメージは焼きついていたからである。さらに、基幹システムであるデータベースサーバも導入いただくことができた。いわゆる、WinBackであった。
ビジネス優先とはこういうことだった。
Y運輸様の荷物追跡システムの最初のリリースでは、OS/390で動作するWEBサーバのCGIプログラムによるものだった。信じられるだろうか?AIXどころかS/390である。S/390で作ったのが失敗だったというわけではない。むしろ、その逆の話であった。
当時、OS/390は、UNIXファイルシステムの拡張がなされ、同時に、CコンパイラやWebサーバなどのいくつかのUNIXのプログラムが移植されていた。今ではLinuxも動作するので驚くことはないが、当時はオープン化の最初の段階である。その仕組みはまったく想像すらできなかった。どれもこれも、やっと動くというレベルであり、実用上のパフォーマンスは望めなかった。そのうえ、EBCDICコードである。どう考えても、AIXで作った方がいいにきまっている。しかしAIXは単なる開発機だ。そこで開発したものを、OS/390に移し、わざわざコード変換して動作させていた。繰り返しになるが、開発機の方がだんぜん速い。
私は技術者として非常に後ろめたい気持ちになり、こっそり比較表を作ってお客様に公開した。
その数時間後、IBMの営業にどなられた。
「S390を選択していただいたお客様の立場を考えろ。」
当時はすでにダウンサイジングが進み、F社はホストをやめてUNIXにしようとしていた。
だが、お客様はUNIXは尚早と考えている。一方、IBMはOS390のオープン化といった新しい可能性を追求していた。お客様は、ホストというプラットォームにおいて、「将来にわたっての」IBMの真価を見極めようとしていた。要するに、WEBサーバのパフォーマンスはあまり重要ではなかった。私は見せなくていいものを見せたのだが、幸運にも大事に至らず、お客様はOS390を支持してくださり、前代未聞のS390<->F連携システムによる、荷物追跡システムができた。その2年後、UNIXサーバがお客様内で認知され、ご導入いただきWebは移行された。F社ではなく当然のようにIBMのUNIXサーバが採用された。荷物追跡システムの成功により、e-BusinessはIBMというイメージは焼きついていたからである。さらに、基幹システムであるデータベースサーバも導入いただくことができた。いわゆる、WinBackであった。
ビジネス優先とはこういうことだった。
ビジネス優先とはどういうことか
まず、Reflex開発優先ではなく、リアルビジネスを優先すること。私はこの判断は間違いではないと思っている。ある程度作ったものをリアルの世界でも試してみて、そこで得られた結果が反映される。これはアジャイルの基本だし、Web2.0のサービスが往々にして「永遠にベータ」といわれるのはこういう理由からだと思う。
T社長の一言、「うちを実験場だと思って結構」。この言葉に釣られた感じはあるが、そもそも実験場にしたところで後ろめたいことは何もない。結果としてお客様の満足度は高まるのはまず間違いない。これはIBM時代からやってきたことだし、お客様は決してだまされたとは言わなかった。その代わり、成功が絶対条件だ。
1997年、日本で初めてWebSphereを導入いただいたお客様は私に騙されたふりをしてくれた。
当時はCGIに比べて品質、パフォーマンスに劣るServletを業務に使うなんて到底考えられなかった時代である。私は求められても比較表を書かなかった。ただ、将来のためにWebSphereを使ってほしいと説得しただけである。その後、Servletはアプリケーションサーバとなり、普通に使われるようになった。
実は、説得という意味では、お客様よりIBM社内の方がきつかった。当時では普通であったNet.Dataをなぜ提案しないのか、WebSphereのような不安定なものを導入して、リスクはいったい誰が取るのか、TCTという技術リスク検討MTGのときにいろいろ言われた。でもなんとかソフトウェア事業部を味方につけてやり遂げたのだった。
IBM社内のネガティブな点については、もっといいたい。
LAMPの兆しが出始めの2002年末から2003年初頭、私はあるお客様の受発注システムで、Linux+PHPを提案した。2003年はIBMがオープンソースビジネスに本腰を入れるはじめた年で、その年の戦略キーワードにはLinuxの文字がはっきり書いてあった。私は驚きつつもIBMの戦略の意図は読み取れたので、AIXではなくLinuxで、WebSphereではなくPHPで提案した。1997年にWebSphereを提案した時代とは異なり、次のパラダイムが起きようとしていたのである。提案はお客様に受け入れられたのだが、いざプロジェクトがスタートという時期に、私の転属が決まり、そのプロジェクトは後任に任せざるを得なくなった。ところが、その後任は、私の提案を捨て去り、AIX+WebSpereで再提案をしたのだった。1997年に比べてTCTは簡単にクリアできるだろうが、今更WebSphereを提案することに、ITスペシャリストとして何の意味があるのだろうと私は思った。彼は1997年にWebSphereを提案できただろうか?あるいは、Web2.0全盛の今であれば、きっとその彼もチープ革命とかいって、LAMPを提案するかもしれない。だがそうじゃないだろうと思う。業界をリードするIBMであるならば、猫も杓子もWeb2.0の今よりも、もう少し早く提案しなきゃだめなんじゃなかろうか。それに、LAMPは少なくとも3年前に一度提案して破棄されたものなのだ。今のお客様に提案したところで、果たして受け入れてくれるか疑問である。私がお客様だったら、責任もって未来永劫、AIXとWebSphereのサポートをせよと要求するだろう。
1997年
お客様の将来よりもその時のビジネス優先(Net.Data)
その時のビジネスよりも将来を優先(WebSphere)
2003年
お客様の将来よりもその時のビジネス優先(AIX+WebSphere)
その時のビジネスよりも将来を優先(LAMP)
本当のビジネス優先とは、現在だけでなく、将来も担保してあげることなんじゃなかろうか。
それには、慧眼の持ち主でなければ成しえないとは思うが。
T社長の一言、「うちを実験場だと思って結構」。この言葉に釣られた感じはあるが、そもそも実験場にしたところで後ろめたいことは何もない。結果としてお客様の満足度は高まるのはまず間違いない。これはIBM時代からやってきたことだし、お客様は決してだまされたとは言わなかった。その代わり、成功が絶対条件だ。
1997年、日本で初めてWebSphereを導入いただいたお客様は私に騙されたふりをしてくれた。
当時はCGIに比べて品質、パフォーマンスに劣るServletを業務に使うなんて到底考えられなかった時代である。私は求められても比較表を書かなかった。ただ、将来のためにWebSphereを使ってほしいと説得しただけである。その後、Servletはアプリケーションサーバとなり、普通に使われるようになった。
実は、説得という意味では、お客様よりIBM社内の方がきつかった。当時では普通であったNet.Dataをなぜ提案しないのか、WebSphereのような不安定なものを導入して、リスクはいったい誰が取るのか、TCTという技術リスク検討MTGのときにいろいろ言われた。でもなんとかソフトウェア事業部を味方につけてやり遂げたのだった。
IBM社内のネガティブな点については、もっといいたい。
LAMPの兆しが出始めの2002年末から2003年初頭、私はあるお客様の受発注システムで、Linux+PHPを提案した。2003年はIBMがオープンソースビジネスに本腰を入れるはじめた年で、その年の戦略キーワードにはLinuxの文字がはっきり書いてあった。私は驚きつつもIBMの戦略の意図は読み取れたので、AIXではなくLinuxで、WebSphereではなくPHPで提案した。1997年にWebSphereを提案した時代とは異なり、次のパラダイムが起きようとしていたのである。提案はお客様に受け入れられたのだが、いざプロジェクトがスタートという時期に、私の転属が決まり、そのプロジェクトは後任に任せざるを得なくなった。ところが、その後任は、私の提案を捨て去り、AIX+WebSpereで再提案をしたのだった。1997年に比べてTCTは簡単にクリアできるだろうが、今更WebSphereを提案することに、ITスペシャリストとして何の意味があるのだろうと私は思った。彼は1997年にWebSphereを提案できただろうか?あるいは、Web2.0全盛の今であれば、きっとその彼もチープ革命とかいって、LAMPを提案するかもしれない。だがそうじゃないだろうと思う。業界をリードするIBMであるならば、猫も杓子もWeb2.0の今よりも、もう少し早く提案しなきゃだめなんじゃなかろうか。それに、LAMPは少なくとも3年前に一度提案して破棄されたものなのだ。今のお客様に提案したところで、果たして受け入れてくれるか疑問である。私がお客様だったら、責任もって未来永劫、AIXとWebSphereのサポートをせよと要求するだろう。
1997年
お客様の将来よりもその時のビジネス優先(Net.Data)
その時のビジネスよりも将来を優先(WebSphere)
2003年
お客様の将来よりもその時のビジネス優先(AIX+WebSphere)
その時のビジネスよりも将来を優先(LAMP)
本当のビジネス優先とは、現在だけでなく、将来も担保してあげることなんじゃなかろうか。
それには、慧眼の持ち主でなければ成しえないとは思うが。
抱負
あけましておめでとうございます。
いやあ、昨年は非常に忙しかったなあ。特に12月は地獄だった。12月29日に何とか片をつけ、真っ白な灰になって博多行き新幹線に飛び乗ったのだが、嵐が過ぎ去っても、しばらくは何もする気がおきなかった。まるで伸びきったゴムの切れる寸前。ただもうボーとして、息するのも面倒くさい感じ。こりゃあ、充電して弾力のある状態に戻さなきゃ今年一年は持たないぞ、ということで、今日まで特に何もせずに過ごしてきた。・・・ちょっと休みすぎかなあ。人間不思議なもので、何もしないとBlogに書くネタさえなくなる。こりゃいかん・・・、今日からまたがんばります。
今年は、ある会社のネットビジネスを手がける予定だ。Ajax、などWeb2.0バリバリで、また、SaaSのモデルもやりたい。たぶん、その会社のCTOとして参加することになると思うが、正式に決まったらお知らせしたい。
あれだけ去年熱く語っていたReflexはなんだったんだ?と思わないでほしい。このビジネスでも、Relfe CoreやReflex iTextなどは、どんどん活用していくつもりだ。P2P機能は次のフェーズになるとは思うけど、まあ、リアルビジネスが優先されちゃうのは常ということで・・・。(いかんいかん)
今年もよろしくお願いします。
いやあ、昨年は非常に忙しかったなあ。特に12月は地獄だった。12月29日に何とか片をつけ、真っ白な灰になって博多行き新幹線に飛び乗ったのだが、嵐が過ぎ去っても、しばらくは何もする気がおきなかった。まるで伸びきったゴムの切れる寸前。ただもうボーとして、息するのも面倒くさい感じ。こりゃあ、充電して弾力のある状態に戻さなきゃ今年一年は持たないぞ、ということで、今日まで特に何もせずに過ごしてきた。・・・ちょっと休みすぎかなあ。人間不思議なもので、何もしないとBlogに書くネタさえなくなる。こりゃいかん・・・、今日からまたがんばります。
今年は、ある会社のネットビジネスを手がける予定だ。Ajax、などWeb2.0バリバリで、また、SaaSのモデルもやりたい。たぶん、その会社のCTOとして参加することになると思うが、正式に決まったらお知らせしたい。
あれだけ去年熱く語っていたReflexはなんだったんだ?と思わないでほしい。このビジネスでも、Relfe CoreやReflex iTextなどは、どんどん活用していくつもりだ。P2P機能は次のフェーズになるとは思うけど、まあ、リアルビジネスが優先されちゃうのは常ということで・・・。(いかんいかん)
今年もよろしくお願いします。
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