日曜日, 1月 17, 2010

【政治】 現政権に思うこと、それから国家権力の話 このエントリーを含むはてなブックマーク


成長戦略がほしい

 現政権は成長戦略を描けていない。社民連出身の菅さんを筆頭に、労組などを出身母体としている政治家が多いので、どうしても「人に優しく、産業に優しくない」発想になりがちである。人に優しい政策は結構であるが、日本の産業がとても弱っており、財源を含め合理的な策が見い出せないのが問題だと思う。
 人に優しい政策には大きなコストが伴う。それは、例えば、CO2削減は企業が、介護は国民が負担することになる。(介護ビジネスというのは局所的には成り立つが社会全体からみるとコストとなる。私は、麻生さんの失言「老人は働け」の方が、より生産的だと思っている)
 しかし、既に大企業に頼る時代は終わっており、国の税収も少なくなってきている。無駄をなくすとはいっているものの、こういった現状をふまえると、おのずと「人に優しい」政策には限界が見えてくる。 

 日本の大企業は昔ほど元気ではなく、例えば、Panasocic(3.81兆円)とソニー(3.08兆円)を足してもサムスン電子(8.26兆円)より小さい。

時価総額上位ランキング(日本)
時価総額上位ランキング(世界)

 足りないのは成長戦略である。基本はやはり産業の活性化。金融マネーゲームもよくないが、産業を否定するのもよくない。生産的な発想で、価値のあるものを効率よく生み出す努力をすることが重要だと思う。そういう意味では、ITは一つの柱になってしかるべきと思う。
 現政権には具体的な政策を提示して欲しいものである。

政治家の権力は限定的だった

 がらっと変わって、権力の話。 
 こないだ問題になった天皇の政治利用の件もそうだったが、民主党政権になっていろいろオープンに報道されるにつれ、政治家が及ぶ権力はかなり限定的だったんだなということがわかってきた。例えば、小沢さんの「検察の権力と闘う」といった発言はその象徴である。
 しかし、そもそも検察の権力はどこに属しているのだろうという素朴な疑問が沸いてくる。国家権力を立法権・行政権・司法権の三権に分立しているのは、「国家の権力を性質に応じて分け、それぞれを別個の機関に分散させ、各機関に他の機関の越権を抑える権限を与え、相互に監視しあうことにより抑制均衡を図るためである。(Wikipediaより)
 今は民主党が立法と行政の権力を握っているのは皆承知していることだ。実質的には、鳩山さんや小沢さんといった方が最高権力者だと思うが、その彼らたちが闘う国家権力とは一体何者なんだろうか?

小沢氏に「戦って」と首相、資質に疑問符

特捜部を含む検察庁は、行政機構上、法務省の一機関に位置付けられている。その法務省の長である法相は検察当局への指揮権を持つ。実際の指揮権発動には慎重な配慮が必要だろうが、その法相に指示できるのは唯一首相だけだ。


 鳩山さんの言動から推測すると、ご自身の指示ではないようである。ということは、検察は一行政機関ではあるが、自分たちで勝手に判断して動いているということだろうか。それとも、他にいる影の権力者が指示しているのだろうか。もしそうだとすると、責任は誰が取るのだろうか。形式的には行政のトップである鳩山さんの責任になるのだろうが、実際に権力を行使する者の責任はどうなるのだろうか。
 また、土地購入の際には、小沢さんは個人の積み立て金といっているが、検察は企業献金が使われた疑いがあるといっている。これが石川議員逮捕の理由とされているが、こういった情報は新聞やニュースから流れてくるだけで、検察からの説明はいっさいない。少なくとも、小沢さんの主張と検察の見解の違いがあるのだから、検察は根拠についての説明責任があるように思う。
 検察の顔が見えないまま捜査が行われていることに、ちょっと気持ちの悪さを感じてしまう。

また、以下のように、権力闘争と指摘している記事もあり、検察といえども、どういう意図があって動いているのか、国民がしっかり監視していく必要がありそうである。
逮捕前日「理不尽な世界つらい」 石川議員、佐藤優氏に
佐藤氏は外務省在職当時、鈴木宗男衆院議員の側近とされ、鈴木議員に対する一連の捜査の過程で、背任などの罪で起訴され、有罪が確定した。その時の捜査を「国策捜査」と批判した佐藤氏だが、「今回は国策捜査ではなく、民主党と官僚組織の権力闘争だ」と指摘した。

<関連> 鈴木宗男氏「検察正義は間違い」 批判に沸く民主党大会

 検察以外にも、政治家が及ばない権力があるように思う。独断と偏見で思いつくまま列挙するとこんな感じになる。

予算・・財務省
外交(軍事)・・米国
天皇・・宮内庁
情報管理・・マスコミ

 また、昨日も書いたが、日本には世間様という絶対神がある。世間様がいいといえば良く、悪いといえば悪い。本当の意味で民主主義でないかもしれないけれど、世間様には誰も逆らえない。
 戦前、暴走した陸軍は政府の統制下になかったといわれている。検察は軍ではないが、マスコミも同調していた構図は当時と瓜二つだ。
 政治家よりも、検察とマスコミの方が世間様の判断を操作できる立場にあるというのは、結構怖い状態なのかもしれない。権力のシビリアンコントロールは絶対に必要であると思う。

1 件のコメント:

添え状 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

 
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