火曜日, 12月 11, 2012

ReflexWorks開発における選択と集中の話 このエントリーを含むはてなブックマーク


何事も選択と集中が大事です。時間もお金も人も無限にあるんだったら何も苦労しません。私たちは、ReflexWorksを作るにあたって何を自作すべきか、あるいは他を利用する方がいいのか、色々悩みながら開発してきました。

標準化技術は採用すべきでしょうし、車輪の再発明は避けるべきでしょう。それは当然です。私たちも無い機能は作るし既にあれば利用させていただくという方針で基本的にはやっています。

かつてJava全盛の時代は楽でした。単にJavaの標準化技術を後追いすればよかったからです。でも、今はなかなか思うようにいきません。

10年ぐらい前からJavaの動きに鈍くなり、後追いだけでは対応できなくなってきました。
今盛んに訴えられている、JavaScriptやThin Server Architectureの重要性の話なんて(私には)4年ぐらい前のメッセージに聞こえます。

ReflexWorksもThin Server Architectureが基本ですが、既に大規模事例があり1年以上前から運用されています。
ということはどういうことか。システム構築開始は2年前で、ReflexWorksの開発はもっと前ということです。

今、JavaのThin Server Architectureに影響を受けた人が、これからフレームワーク作ってシステム構築して運用したとして、評価されるまであと何年かかるのでしょう?そのときデビューして果たして競争力はあるのでしょうか。(ReflexWorksに競争力があるとは到底思ってませんが・・)

JSONにしても2006年時点では自作するしかありませんでした。シリアライザもXML pull parserもXStreamを改造して使っています。
でも、これは当時の事情でしかたなくです。今ではご存知のようにJAX-RSなどのJavaの標準APIがあります。でも遅いんです。

今更、それに準拠するためだけにフレームワークを修正することは、少なくとも私たちにとっては無意味です。
それは、ReflexWorksフレームワークのテストには数年、数百人月という膨大な工数が費やされており、高い品質を維持しているからです。
品質は不具合の数だけでなくパフォーマンスやセキュリティなど総合的な評価が大事です。いくらJava標準といっても品質が高いとは限りません。

テストがきちんと実施され本番でも期待通りに動作している。これが最も価値ある状態であり、これでやっと他のお客様にも自信をもって最高のパフォーマンスを提供できるのです。

一方で、そのクオリティをさらに高める努力をしていくつもりです。継続的に投資していきます。

例えば、MessagePack対応。

ReflexWorksのボトルネックである、通信とシリアライザと永続化の3つの大きな要素のうち、通信とシリアライザについてMessagePackを採用することで大きな改善を見込めます。

残る永続化の部分ですが、私たちはKVSをゼロから作るなんて無謀なことはいたしません。世の中にある優れたKVSを利用しようというスタンスです。
現在はOracle BDB JEと、Google App EngineのDatastoreの2つを採用しています。(選択できます)

Oracle BDB JEを採用している理由は信頼性です。いい意味で枯れており、情報が豊富で、何よりOracleの技術サポートを受けられます。(保守契約が必要)
FAQを見ていただけるとわかりますが、トランザクションログのリカバリやトラブルシューティングも大変わかりやすく運用も楽です。

BerkeleyDB JE FAQ

トランザクションはロック方式ですが、現在はそれほど大きなボトルネックになってはいません。(他の改善効果に比べて低い)

パフォーマンスに優れたKVSは他にもいろいろありますが、トランザクションをサポートしており、かつ安心して利用できるという点で、BDB JEには一日の長があると考えています。

とはいえ、私が知らないだけかもしれません。他に信頼性に絶対的自信のあるKVSがあればぜひご紹介ください。
ちなみに、次の候補としては、Amazon DynamoDBを検討しております。



0 件のコメント:

 
© 2006-2015 Virtual Technology
当サイトではGoogle Analyticsを使ってウェブサイトのトラフィック情報を収集しています。詳しくは、プライバシーポリシーを参照してください。