月曜日, 3月 22, 2010

【クラウドコンピューティング】 ホメオトシスぎるお答え このエントリーを含むはてなブックマーク


 ラ・マンチャ通信に、竹嵜さんの疑問に対するお答えを書いていただいた。いつもいつもリップサービスありがとうございます。アプライアンスについては誤解していたようなのでよく読んで勉強しておきます。

 1点だけ、気になるところがあったので、ここに挙げておきます。


 BASEトランザクションのイデオロギーには、オートノミック・コンピューティングに似た、理論信奉による全自動化追求の危険な匂いがします。
本来、セッション型が重要な部分を占めるようなビジネスのトランザクショナルなプロセスまで、理論化・自動化出来ると考えている節が垣間見えます。


これに対する私の返事(メール)の抜粋。


トランザクショナルなプロセスをトランザクションシステムにできるような、中間領域(外部システムと内部システムの間)があるのではないか、ということを最近発見?しました。中間領域には、MemcachedといったDHT(分散ハッシュテーブル)と、Queueing Systemがあります。実は、Google App Engineもそうですが、Windows Azureも同様のアーキテクチャーをしています。

私の考えでは、中間領域は厳密には内部システムの範疇ですが、エンドユーザに対しては隠蔽するのが重要になってくるのではないかと。

この中間領域のミドルウェアにNFRを実装してBASEを隠蔽する。そうすることで、エンドユーザにACID環境を提供できればよいのかなと思います。もちろん、それがミッションクリティカルなシステムのConsistencyを満たせればの話ですが、ACIDというからには満たせるんじゃないかなあと。

また、RDB(特にSQL)の運用コストなどの別のメリットも当然あって、スケーラビリティというだけで、RDBを簡単に放棄するわけにはいかないのはよくわかっています。
 その点、MSのSQL Azureは現実的な解で、既存の.Netシステムをほとんど変更なしに、Azureに移行できたという話もあります。

ただ、API化が進む昨今のアプリケーションのスタイルでは、コンポーネント化とWebサービス(REST)により抽象化や隠蔽が進んだことで、RDBとKVSとでそれほど大きく違わないという事実もあります。アプリケーションは元来OOで設計しており、RDB使用時にはO/Rマッパを通じてアクセスしています。

もしオンライントランザクションをKVSにできれば、同時にScalabilityも手に入れることができます。

ここは適材適所で考え、オンライントランザクションはKVS、情報分析や意思決定などではDWHといったように、使い分けるのがベストかなと個人的には考えています。


ちなみに、中間領域におけるConsistency実現の具体例は、GAEのSlim3実装がある。また、CassandraのConsistencyの実装など(READにおけるQUORUM)を見てもわかるように、KVSそのものもConsistencyが強化されてきている。Consistencyとは直接関係はないが、SEDAは要チェックだ。

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